はじめに
予備試験や司法試験の勉強を続けているけど、なかなか合格答案を書けるようにならない…。これは予備試験や司法試験の受験生にありがちな悩みです。実は、このような悩みを持つ人にはおおむね特徴があります。今回はその特徴を記事にするとともに、その特徴にあてはまってしまった場合の対処法についてお伝えします。
1 基礎知識の定着が不十分
まずは、基礎知識の定着が不十分な場合です。基礎知識の定着が不十分だと、問題文を読んでも問題点に気づくことができなかったり、問題点に気づいたとしても誤ったことを答案に書いてしまうことがあります。合格答案の土台となるのは紛れもなく各科目の基礎知識です。しっかりとした基礎がなければ安全な家が建てられないのと同様に、基礎知識の定着がなければ合格答案を書くことはできません。
2 条文と基礎知識がリンクしていない
次に、条文と基礎知識がリンクしていない場合です。基本書や基本書形式の予備校本を使用している方にありがちです。普段のインプットの勉強の際に条文を引くのを怠っていると、いざ答案を書こうとしたときに出発点にすべき条文がわからないことがあります。また、条文の内容は理解していても、条文のおおまかな位置を把握していないことが原因で条文探しに時間をとられてしまうことがあります。そうすると、引用すべき条文を誤ったり、時間内に答案を書ききることが難しくなります。本試験で参照できるのは六法のみですから、条文を出発点として答案を展開できるようにしておくことが合格答案を書くにあたって必要不可欠です。
3 答案の型を知らない
さらに、答案の型を知らない場合です。型に沿って答案を作成することは時間の節約につながります。また、型に沿って答案を作成することで論述のバラツキを抑えて整理された内容の論述を行うことが容易になります。そのため、答案の型を知らずに答案を書くと、制限時間内に答案を書ききれなかったり、論述がバラついたりすることがあります。野球の投手がピッチングフォームを意識するように、答案についても型を学ぶことが合格答案を書くにあたって有用です。
4 文章を書き慣れていない
最後に、文章を書き慣れていない場合です。基礎知識があって、答案の型を知っていても、文章が書けるわけではありません。自分が持っている基礎知識を文章の形で表現しなければ合格答案にならないのです。普段から文章を書いていて、ある程度文章を書き慣れている人であれば、自分が持っている基礎知識を文章にすることは簡単です。しかし、文章を書き慣れていない人にとっては、自分が表現したい内容を文章として表現するのが難しく感じることがあります。合格答案を書くにあたって、自分の持っている基礎知識を自分が思っている通りの意味で答案に表現するための最低限の文章力を身に着けることは重要です。
5 対処法
ここまで合格答案を書けるようにならない人の特徴を挙げてきましたが、これらの特徴に当てはまってしまった場合にはどうすればよいのでしょうか。その答えは非常にシンプルで、「答案を書け」ということに尽きます。答案を書けないから悩んでいるのに「答案を書け」ってどういうことだとツッコミたくなるかもしれませんが、答案を書くことを通じて合格に必要な能力を身に着けるのが最も効率的な対処法だと考えています。
もっと具体的に言えば、以下の通りです。
- 答案を書くことを通じて、自分の基礎知識のどこに穴があるのかを把握してそれをインプットで補ってください。
- 答案を書くことを通じて、条文と基礎知識をリンクさせていってください。
- 答案を書くことと上位合格答案を分析することを通じて、答案の型を身に着けていってください。
- 答案を書くことを通じて、最低限の文章力を身に着けてください。
「答案を書けないからまずはしっかりとインプットをする」ではなくて、答案を書くことを通じて答案を書けるように取り組んでくださいね。
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