短答試験に不合格になってしまう人の特徴

はじめに

予備試験や司法試験の短答試験は、正しく勉強を続ければほぼ確実に合格できる試験です。そのため、この試験で不合格になる場合には何らかの原因があります。この原因については人によって異なるというものではなく、一定の傾向がみられます。そこで、今回は、短答試験に不合格になってしまう人の特徴という形で短答試験に不合格になる原因を解説していきます。

1 過去問をやらない

まず、過去問をやらない人は短答試験に不合格になりやすいです。短答試験はただ単純に過去問をやりこむだけでも合格レベルに達する試験です。過去問とほぼ同じ内容の問題が出題されることがありますし、過去問で問われた知識が再度問われることはたびたびあります。加えて、過去問を通じて本試験の出題形式に慣れることができます。過去問をやらないことを野球でたとえると、素振りだけして投手の球を打つ練習をせずに試合に臨むようなもので、かなり無謀です。過去問は知識の宝庫なので是非とも取り組むようにしてください。

2 条文を引かない

過去問をやるときや普段の法律の勉強の際に条文を引くのを怠る人は、短答試験に不合格になりやすいです。短答試験で問われるのは条文や判例の知識であり、それらがそのまま聞かれたり、それらの知識を使うことができるかを試してきたりします。条文をこまめに引いていれば、少なくとも重要な条文の内容は頭に入るので、その条文に関する問題であれば正解に達することが可能です。最終的には細かい条文も押さえておきたいので、条文の素読や条解系のテキストを使った勉強をすることになると思いますが、その際にも既に押さえている条文は飛ばせるので時間の節約につながります。普段の勉強から条文を引くことで論文試験でも優位に立てるので、意識的に条文を引くようにしてください。

3 復習をしない

復習をしない人は知識の定着が不十分となりやすく、その結果短答試験に不合格になりやすいです。たとえ過去問をやっていても、過去問で問われた事柄について正確に理解していかなければなりません。その際、過去問は膨大な量になるので、一周する間にもどんどん知識が抜け落ちていってしまいます。こうした知識の抜け落ちを防ぐためにも適切なタイミングで復習を行うことが重要です。その日のうちに1回、1週間以内に1回、1か月以内に1回復習をすることで記憶を保ちやすくなるので、少なくともこれらのタイミングで復習を行うようにしてください。

4 必ず短答試験に合格するために

短答式試験に合格するための目安は過去問で9割正解できるようになることです。私のおすすめは、判例六法を片手に過去問をやりこむことです。そして、条文や判例が出てきた際には判例六法にマークをつけて、出題されたことのある条文・判例と出題されていない条文・判例を区別できるようにします。もちろん、適切なタイミングで復習を行うようにしてください。3回連続で理由も含めて正解できた問題はそれ以上解かなくてよいので、どんどんやるべき問題が減っていきます。

直前期には、マークをした条文・判例を中心に判例六法を読み漁ります。知識の抜け落ちがないかどうかを確認しながら進めてください。論文試験よりも短答試験のほうが努力が実りやすい試験なので、できれば他の受験生以上に、少なくとも他の受験生と同等の努力をし、短答試験の合格を勝ち取っていただければと思います。

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