はじめに
予備試験や司法試験の勉強をしているとどうしてもわからないところがが出てきてしまいます。そんな参照したいのは詳細に書かれた信頼のおける基本書です。信頼のおける基本書を読めば、おおよその疑問は解決できますし、たとえ疑問を解決できなかったとしても何かしらのヒントを得られることが多いです。また、信頼のおける基本書に書かれていないような疑問については、とりあえずわからないまま進めてよいという目安として使用することもできます。
そのため、詳細に書かれた信頼のおける基本書については座右に置いておきたいところです。ところが、たくさんの基本書の中から信頼のおける基本書を選ぶのは難しいことですし、それに時間をかけるのももったいないです。そこで、私が最も信頼している基本書とその他の信頼できる基本書を紹介しますので、この中から選んでいただければと思います。
1 最も信頼している基本書
私が最も信頼している民事訴訟法の基本書はこちらです。
- 新民事訴訟法 第6版(弘文堂) 新堂幸司
この本は、民事訴訟法の基本書の中でも最も網羅的かつ明快であると評価できます。手続について結構細かい部分まで丁寧に記載されているので、手続に関する疑問も解消することができます。ただし、判例については他科目の基本書より記載が薄い傾向があります。この傾向は民事訴訟法の基本書全般にあてはまるので、他の民事訴訟法の基本書との比較においてはこの本が最も信頼できると考えています。
2 その他信頼できる本
(1)論点を詳しく調べたい
- 重点講義民事訴訟法(上) 第2版補訂版(有斐閣) 高橋宏志
- 重点講義民事訴訟法(上) 第2版補訂版(有斐閣) 高橋宏志
この本は重点講義という名前からもわかるように、民事訴訟法上の重要問題について重点的に解説しています。解説が非常に詳しいため、論点についてどのような問題があって、どのような議論がなされているのかを知るためによく使っています。
(2)正確に調べたいなら
- 新民事訴訟法講義 第3版 中野貞一郎、松浦馨、鈴木正裕
この本は、多数の民事訴訟法の研究者がそれぞれの研究関連分野について基本事項を執筆したものなので、記述の正確性が高いです。基本書を用いて各種疑問点について調べるには非常に便利です。ただし、文章のスタイルに多少のバラツキがあるので、少々使い勝手が悪い部分もあります。執筆者が多いことによるデメリットですね。
(3)バランスのいい本が欲しいなら
- LEGAL QUEST民事訴訟法 第3版 三木浩一、笠井正俊、垣内秀介、菱田雄郷
この本は、非常にバランスのいい基本書です。つまり、手続的な事柄に関しては概ねカバーし、論点についても必要十分な解説がなされ、比較的わかりやすい記述になっています。加えて、コラムを通じて最新の議論も一部フォローしています。以上の通りかなり優れた基本書ですが、主観的併合を主体的併合と呼ぶなどこの本独自の用語があることや、記述の薄い部分もあるので、新堂民事訴訟法のほうがより信頼性が高いと判断しています。
(4)普段使いに
- 民事訴訟法 第3版(岩波書店) 長谷部由起子
比較的分量は抑え目であるにもかかわらず、網羅的だし、理由付けがしっかりしています。メリハリのついた基本書と言えるでしょう。
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